こんにちは、ヒャッキヤコウです。
今回はちょっと前にSNSで話題になった書籍である『昆虫こわい』(著者:丸山宗利氏)の感想になります。
内容をざっくり一言で言うと、昆虫学者である丸山氏が仲間とともに昆虫を求めて旅する旅行エッセイですね。
最初に言っておきますが、メチャクチャ面白かったです。
あらすじ
体長わずか数ミリメートルの昆虫を求めて、アマゾンの密林や広大なサバンナへと世界を旅する著者は数々の恐ろしい目に遭ってきた。ペルーでは深夜の森で、帰り道の目印に置いた紙片をアリに運ばれ遭難しかけたり、カメルーンではかわいい顔したハエに刺されて死の病に怯えたり、ギアナでの虫採りが楽しすぎて不眠症になったり……。「昆虫こわい」と半ば本気で、半ば興奮を戒めるためにつぶやく著者の旅を追ううちに、虫の驚くべき生態や知られざる調査の実態がわかる、笑いと涙の昆虫旅行記。
(『昆虫こわい』より引用)
感想
丸山宗利氏はラジオで夏休み子ども科学電話相談で「昆虫」に関する質問に答えている凄い人。
タイトルの『昆虫こわい』は『饅頭こわい』になぞらえてるんですかね。
この本を読むことで日常生活に役立つ何かが手にいいれられるかと聞かれれば、たぶん何も手に入れられないと思います。
せいぜい日本って恵まれてるんだなぁって思いなおすくらいじゃないでしょうか。
この本は基本的に目的である昆虫を採集するために、あれやこれやと苦労を重ねる旅行エッセイみたいなものですからね。
最初のほうは昆虫よりもその調査をしている国の人間性ばっかり気になってました。
現地の人をうまく制御しないと、目的である昆虫の調査もままならないというのはもどかしいですね。
そういった海外という日本の常識が通用しないところでの苦労や苦境、それを打破するための手段の模索は読んでいて引き込まれるものがありました。
それにしても昆虫採集をするのに強盗の心配をしなきゃならないって怖すぎません?
そういうプロセスを経て目的の昆虫や、予想外の珍種に出会ったときのテンションの高さは大変面白かった。
名前を聞いただけではどんな昆虫なのかさっぱり分からない私だけど、喜びようと興奮は伝わる不思議な体験です。
伝わるということはそれだけ筆者の昆虫愛がすさまじいということなのでしょう、本を通じて昆虫に対する情熱とリスペクトはヒシヒシと感じます。
想像の数倍は過酷な環境の中で一般的な社会ではあまり役立たないけれど、誰もが発見したことの無いことを知る興奮っていうのはどんなものなのでしょうか。
好きなことを極めた人の好きなことを詰め込んだ旅行記、昆虫についてあまり知識が無い人にもオススメできる一冊です。
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