画像引用元:映画.com
こんにちは、ヒャッキヤコウです。
今回は12月8日に劇場公開された『オリエント急行殺人事件』の感想になります。
たまにはミステリーでも観て頭を働かせないとどんどん物忘れが激しくなるので渡りに船の映画でした。
某名探偵漫画でもしょっちゅう名前が出て来るお方、アガサ・クリスティーによる名作中の名作。
ミステリー系のランキングだと必ず上位に食い込んでくるみたいです。
しかも1934年に発行されたということで、80年前から結末がわかっている作品ですね。
とっても有名な作品なので私も名前は知ってますが、実は原作含め読んだことも映像作品を観たこともありません。
なので過去の作品との対比をすることなくフラットかつ新鮮な気分で観ることが出来ます、今まで触れてこなかった自分を褒めたい。
さっそく行ってみましょう。
あらすじ
トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、尊大な富豪ラチェットが刺殺された。車両には、教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人、車掌と共通点といえば目的地のみというさまざまな境遇の13名が居合わせた。そして、もう一人乗り合わせた“世界一の探偵”エルキュール・ポアロは、列車がユーゴスラビアの雪だまりで立ち往生する中、列車という密室で再び殺人者が人を襲う前に、事件を解決しなければならない。
(東宝シネマズより引用)
予告編
感想
すっげぇお金かかってる。
ジョニー・デップを始めとした豪華キャストもそうですが、実際に車両を作っての撮影や雪山を突き進む美しい背景と視覚的な興奮はたっぷりでした。
ほとんどはロンドンにあるロングクロス・スタジオというところでセットが組まれて撮影したらしいですが、それにしてもえげつないブルジョワっぷり。
肝心の中身については、列車という舞台設定もあってか静かな演技が続きます。おそらく一番大きなアクションって列車が雪崩に巻き込まれて脱線するところだったんじゃないですかね。
基本的にポワロとブック、あとは乗車してる誰かで会話が続いていくのでちょっと展開の鈍重さを感じましたが、それでも忌避感はそこまで感じなかったから演技してる俳優・女優の実力の高さだったんだと思います、動きの少ない演技でも存在感を示す演技力は流石。とはいえジョニー・デップの退場の早さは驚き。
監督と主役が同じケネス・ブラナーということでとにかくポワロのシーンが多く、他のレビューには自己満とか言われてましたが「ポワロが好きなんだろうなぁ」って感じるくらいには役作りもしっかりしていて私個人はそこまで自己満感は感じませんでした。というかあの髭は誰もツッコまないのか。
ラストまで犯人探しでひたすら個ばっかりを見ていたので、最後が来た時はしてやられた気分でした。80年前にこの作品を読んだ人は同じ気分を味わったんだろうか。
ミステリーでよくある「こいつ(ポアロ)さえいなければ…」っていう見事なトリックで、謎が解き明かされたときの爽快感もひとしおでした。
まとめ

主人公が犯人をコテンパンに論破して悦に浸ってENDな映画かと思ってみてみたら全然違う結末でした。
冒頭から強調されていたポワロの完璧主義が最後に崩れる瞬間ってのが印象的でしたね。
試合に勝って勝負に負けたって感じです。
ああいう読者(お客)ですら「どうしたら良いんだ…」と思わせる演出は現在でこそよく見られますが、80年前が原作のミステリーで味わうことになるとは思いませんでしたね。
ケネス・ブラナーのファンにとってはたまらないんじゃないでしょうか、作品自体は大作というよりは趣味映画に感じました。
めっちゃお金かかってますけど。
コメントを残す